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開催要旨

光翔祭の開催にあたって

第10回光翔祭 開催に寄せて

公立大学法人福島県立医科大学

理事長兼学長 竹之下 誠一

 今年の大学祭は、2年に一度、一般の方々に会場を開放して行われる「光翔祭」にあたる年とのこと。前回の光翔祭はコロナ禍の真っただ中で、規模は大幅に縮小。また一般の方々の出入りはお断りし、オンラインでの参加のみという大きな制限の掛かった開催でした。今回は、コロナ以前の規模に戻すとのことで、久しぶりに学生の皆さんの思いの丈をぶつけ、サークル等の活動の成果を発揮できるのではないかと思います。学生主催の大学最大イベントをしっかり心に刻むべく、大いに楽しんでください。

(もちろん羽目を外し過ぎることは無いように)

 そしてこの機会に皆さんに一つ意識してほしいことがあります。それは新たな人との出会いと交流です。本学は今や3つの学部を擁する医療系の総合大学へと発展してきました。しかし、これは世の常ですが、組織が大きくなるにつれ、次第に横のつながりが希薄になるというジレンマも抱えます。そもそも学部が違えば学生同士、学ぶことも違い、目指すキャリアも違うことから積極的な交流は少ないものと思います。加えて、駅前キャンパスを拠点とする保健科学部のみなさんは、物理的にも他の学部の皆さんとの交流の機会はさらに限定されるものと思います。そこで、ぜひこの光翔祭を機会に、日常の学生生活では交流できない様々な多くの人たちとの交流を意識して欲しいのです。志を共にし、価値観の似た者同士ばかりで長い時間を過ごすと、どうしても視野が狭くなるからです。あるいは自分を客観的に見つめることが出来なくなるからです。

 現代は多様性の時代と言われて久しいですが、皆さんは多様な社会とはどういうことと考えているでしょうか。私たちはひとりひとり違う環境で育ち、考え、生きてきたのですから、価値観が異なるのは当然のことです。ですから、自分とは異なる価値観の人が存在している社会というだけでは多様な社会とは言いません。多様な社会とは、自分と異なる価値観をしっかり理解しようと努め、相互に肯定しあうことができて初めて実現します。そのためには考えや価値観の異なる人との交流を避けるのではなく、むしろ積極的に関わっていく必要があります。そしてその結果「相手の立場になってみると…」という考え方が身に付いていくのです。実はこれは、医療に携わるどのような職種でも不可欠の資質です。常に相手の立場になって考え、思いやり、洞察することが医療の第一歩だからです。

 自分とは違う価値観や考えの持ち主とのコミュニケーションは大きなストレスかもしれません。しかし、それは自分の知らない世界を発見する楽しみでもあります。既に楽しいと分かっていることに熱中して楽しむことも悪くはありません。しかし同時に、楽しさを見つけるように生きることも大切です。この光翔祭を新たな人との出会いと交流の場として活用し、自分とは異なる考えや価値に触れる機会としてください。そして、これまでにない視点を獲得するきっかけとなることを期待しています。

第10回光翔祭にむけて

福島県立医科大学・医学部長

藤森 敬也

 この度、第10回光翔祭が令和6年10月5・6日の両日に開催されるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

 まずは、第10回光翔祭が無事に開催されること、誠におめでとうございます。学生諸君が光翔祭という一つの目標に向かって日々努力されていること、医学部長として大変喜ばしく思います。長期にわたるコロナ禍の中、学生諸君は、さまざまなイベントや大会、クラブ活動が自粛、中止となるなか、学部間の垣根を越えて皆が手を取り合い、この苦しい日々を乗り越えてきました。その成果を皆様に公開する学園祭がいよいよ開催されます。

 ところで本学の大学祭は、本学が新制医科大学として開設された翌年の1953年に、第1回の医学祭が開催されました。その後、1998年の看護学部創設に伴い大学祭は「医学祭」から「光が丘祭」へ名称が変更され、また、2~3年ごとに行われる一般公開の時には「光翔祭」として県民の方々との交流の場として広く公開され、「社会との関わりを深め、福島県立医科大学を多くの人々に理解していただくこと」、「本学の教育方針である“自学自習”を実践すること」を目的として行われてきました。

 今回の光翔祭のテーマは「布医之交~学部、世代、地域、すべてを超えて」と聞いております。布「衣」之交とは、「身分や地位を離れた裸の交わり」とあり、まさに「衣」を「医」変えて、「医学」を通じ、学部、世代、地域、すべてを超えた繋がりになる学園祭になることと期待しております。さらに、光翔祭は、クリエイティブな展示やパフォーマンスを通じて、学生諸君は医学の進歩や健康への関心をさらに高めていくことになるでしょう。

学生諸君は皆で協力しながら、今まで先輩方が築き上げてきた伝統を受け継ぎ、さらに新たな時代を創りあげてっくれればと思います。学生時代に創りあげた先輩・後輩という「縦」の繋がり、同級生という「横」の繋がりは、卒業し医師や医療従事者となってからも非常に大切な繋がりとなります。医学部、看護学部、保健科学部の学生が一つに繋がって、新たな光翔祭を創りあげてください。

 最後になりましたが、お力添えを頂いた後援会や同窓会の皆様に深く感謝申し上げます。一生に一度しかない学生時代。たくさんの思い出が残る光翔祭となることを祈念しております。

第10回光翔祭の開催にあたって

福島県立医科大学・看護学部長

髙橋 香子

 第10回光翔祭が令和6年10月5日、6日に開催されるにあたり一言ご挨拶申し上げます。

 今年もこうして大学祭が開催されること、しかも一般県民の方も招いて行われる3学部合同の「光翔祭」が開催されることを心より嬉しく思います。

 今年のテーマは、「布医之交~学部、世代、地域、すべてを超えて」と伺いました。感染症流行期には制限されていた人と人との交わりの機会を大切にしたい実行委員の皆様の気持ちが伝わってきます。私たちはコロナ禍において人と人とのつながりの大切さを知りました。制約の多かった時が過ぎ、人びとの往来は一挙に回復し、街中の賑わいも取り戻しつつあり、また大学のキャンパスにはコロナ禍前のような状況が戻ってきています。この光翔祭においても、ここに集うすべての人たちとの縁を大事にしたいものです。

 もともと私たちの日常には様々な制約があります。そのような制約のある日々を懸命に生きているからこそ、非日常を思う存分に楽しめるとも言えます。一般県民にも開かれた光翔祭では普段では味わえない体験ができるかもしれません。日常では会えないような人と出会うこともあるでしょう。参加する学生の皆さんは、光翔祭を十分に楽しみ、また日常の学生生活に戻ったときの力にしてください。今年も様々なイベントやポスター展示・発表等が用意されているようですが、大学祭は学問や芸術、文化が交差し、それぞれの関心・能力・価値観がぶつかる場です。学生、教員、地域の方々など日常では関わることのできない人々との交流が醸し出され、学内・学部内にとどまらない新たな化学反応が起きることを期待したいと思います。そして、少しだけ考えてみましょう。私たちは誰のために、何のために医療人としての知識や技術を磨き、不断の努力を惜しまないのかを。光翔祭だからこその気づきや体験が参加する学生の皆さんを人として医療人として豊かにしてくれることを願ってやみません。

 結びに、講義や実習がある中、ここまで企画・準備を進めてこられた光翔祭実行委員の学生の皆さん、支援いただいているすべての方々に感謝申し上げます。すばらしい光翔祭となりますように祈念しております。

光翔祭開催にあたって

福島県立医科大学・保健科学部

矢吹 省司

 光翔祭の開催、おめでとうございます。開催に向けての準備、本当にご苦労様です。

 保健科学部は、2021年4月に、福島県立医科大学3つ目の学部としてスタートしました。学科は、理学療法学科、作業療法学科、診療放射線科学科、そして臨床検査学科の4つがあります。今年度で1年生から4年生までの全学年が揃いました。来年3月には一期生が初の卒業生として巣立ちます。

さて、現在の医療・医学は「チーム医療」が基本です。多くの職種が関わって、協力し合う必要があります。その中で重要な役割を担うのが、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、および臨床検査技師などになります。福島県立医科大学はこれらの6職種を養成できる医療系総合大学になりました。しかし、それぞれの学部としての講義や実習で忙しいため、なかなか学生時代に学部を超えて協働し合う機会は多くないかもしれません。

 学生時代から学部を超えて協力して、何かを成し遂げる機会を多く持ってもらいたいと思っております。様々な人たちと付き合うことで、人として、医療人として深みのある人材に成長できるのではないかと考えるからです。光翔祭は、学部を超えて3学部の学生が協力して成し遂げる重要なイベントです。3学部の学生が知恵を出し合い、協力しあうことでより良い光翔祭になるはずです。チームとして一体となって成功に導くその過程が大事です。時にはぶつかったりすることもあるでしょうが、みんなででディスカッションをして、乗り越えていく経験をしてほしいと思います。その結果としての光翔祭は、福島県民の皆さんに福島県立医科大学のことを知ってもらえる貴重な機会です。成功を信じております。皆さんが、この光翔祭を契機に一体感を増し、福島医大チームとしてさらに成長してくれることを願っています。

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